icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学55巻5号

2004年10月発行

文献概要

特集 生命科学のNew Key Word 4.細胞小器官

ゴルジマトリックスタンパク質群

著者: 吉村信一郎1 中村暢宏2

所属機関: 1日本学術振興会 2金沢大学大学院自然科学研究科

ページ範囲:P.418 - P.419

文献購入ページに移動
 ゴルジ体は多くの生物種において扁平な嚢が隣り合った構造(層板構造)を持っている。小胞体から送られてきた分泌タンパク質や膜タンパク質はゴルジ体に到達すると,それぞれの嚢に局在する酵素群により段階的な修飾を受け,その後目的地に選別輸送される。ゴルジ体の層板構造はタンパク質の修飾と輸送の効率を上げるために重要な構造であると考えられている。

 ゴルジ体の位置や構造の決定には微小管やアクチン繊維などの細胞骨格が重要な役割を果たしていることが示唆されている。スペクトリンやアンキリンのアイソフォームがゴルジ体に局在しており,アクチン繊維との相互作用を通してゴルジ膜の裏打ち構造を形成している可能性が考えられる。GMAP210やHook3,CLIPR-59などの微小管結合タンパク質もゴルジ体に局在し,ゴルジ体と微小管をつなぐリンカーとして機能していると考えられる。

参考文献

124:405-413, 1994
131:1715-1726, 1995
91:253-262, 1997
22:3279-3290, 2003
15:405-413, 2003
89:445-455, 1997
(Tokyo) 135:201-216, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?