特集 生命科学のNew Key Word
4.細胞小器官
GGAタンパクファミリー―膜タンパク質選別輸送アダプタータンパク質
著者:
江藤幸聖1
藤田英明1
田中嘉孝1
所属機関:
1九州大学大学院薬学研究院細胞生物薬学分野
ページ範囲:P.422 - P.423
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GGAs(Golgi-localized,γ-ear-containing,ARF-binding family of proteins)はARF3と特異的に相互作用するタンパク質として同定された1)。酵母細胞においては2種類(Gga1,Gga2),哺乳動物細胞においては3種類(GGA1,GGA2,GGA3)のGGAsが存在する。GGAsは主にTGNに局在し,TGNからエンドソームへ輸送される膜タンパク質のクラスリン被覆小胞への選別輸送に関わるアダプタータンパク質の一つである。同じくTGNに存在するアダプタータンパク質のAP-1が四つのヘテロなサブユニット(β1,γ,μ1,σ1)で構成されているのに対し,GGAsはモノマーで存在し,1本のポリペプチド鎖だけでAP-1の各サブユニットが分担している機能と同様な働きをする。X線結晶構造解析により,GGAsの各機能ドメインの立体構造も解明されてきている2)。
VHS(Vps27p/Hrs/Stam)ドメインは8本のαヘリックスからなる右巻きの超らせん構造をとり,マンノース6リン酸受容体(MPR)の細胞質領域に存在する輸送シグナル(DXXLLモチーフ)に結合する。同じくDXXLLモチーフをもつSorLA,Sortilin,LRP3,β-secretaseにもGGAのVHSドメインが結合することが知られている。