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特集 生命科学のNew Key Word 6.アポトーシス
CAD(Caspase-activated DNase)
著者: 長瀬洋子1 長田重一2
所属機関: 1大阪大学大学院医学系研究科生体制御医学遺伝学 2大阪大学大学院生命機能研究科時空生物学
ページ範囲:P.444 - P.445
文献購入ページに移動増殖中の細胞では,CAD活性を阻害するICAD(inhibitor of CAD/DFF45)がCADと複合体を形成している。ICADはCADの合成において,その正常な折り畳みを助ける分子シャペロン様の働きをも持っている5)。アポトーシス時には,ほとんどの場合カスパーゼ(システインプロテアーゼ)が活性化され,この活性化されたカスパーゼによりICADが切断不活化され,遊離したCADが染色体DNAの断片化を引き起こす。カスパーゼ耐性の変異ICADを発現させた細胞やCAD欠損マウス由来の細胞では,Fasリガンドや抗癌剤などの刺激により,DNAの断片化は全く引き起こされない。しかし,CADを欠損した細胞はこれらの刺激により死滅し,アポトーシスの進行自体にDNAの断片化は必須ではない6)。
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