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文献詳細

雑誌文献

生体の科学55巻5号

2004年10月発行

特集 生命科学のNew Key Word

8.発生/増殖

PACAP―神経ペプチド

著者: 新谷紀人1 馬場明道1

所属機関: 1大阪大学大学院薬学研究科神経薬理学分野

ページ範囲:P.468 - P.469

文献概要

 PACAP(Pituitary adenylate cyclase-activating polypeptide)は1989年にArimuraらにより,下垂体のアデニレートシクラーゼ活性化を指標にヒツジの視床下部から単離・同定されたポリペプチドであり,消化管ペプチド(VIP)と68%のアミノ酸配列の相同性を示し,VIP/セクレチン/グルカゴンファミリーに分類される1)。受容体には7回膜貫通型GPCRのPAC1,VPAC1,VPAC2の3種があり,PACAPは3種の受容体全てに高親和性を示すが,VIPはVPAC1,VPAC2に選択性を示すことから,PAC1が選択的なPACAP受容体といえる。これらの受容体は共に細胞内シグナルとして,cAMP,PLC-Ca++,MAPキナーゼとリンクするが,そのタイプは細胞種,リガンドの種類,およびその濃度に依存する。例えばPC12細胞では,突起伸展作用ならびにPACAP遺伝子発現を,NGFとPACAPは各々単独で促進し,かつ,共存させると相乗効果を示すが,それに関与するMAPキナーゼは異なる2)

参考文献

52:269-324, 2000
285:656-661, 2001
98:13355-13360, 2001
52:1155-1162, 2003
309:796-803, 2004
113:905-912, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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