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特集 生命科学のNew Key Word 9.脳の遺伝子・分子/細胞過程
中枢神経系におけるカリクレインファミリー
著者: 渡邊義久1 山口希1
所属機関: 1京都府立医科大学附属脳・血管系老化研究センター細胞生物学部門
ページ範囲:P.484 - P.485
文献購入ページに移動15種類のカリクレインは遺伝子群を形成し,ヒトでは第19染色体q13.3からq13.4に局在している。このカリクレインファミリーに属する全ての酵素がキニノーゲン分解活性を持っているわけではなく,高いキニノーゲン分解活性を持つのはカリクレイン1(KLK1)だけであることから,多様な基質に対応していると考えられる。さらに,組織における発現部位も多様で,KLK1は膵臓,腎臓,唾液腺で,KLK2,3,4は前立腺で,KLK5は乳腺,脳,精巣で高く発現している(表1)。KLK3は前立腺特異的抗原(PSA)として知られており,前立腺癌の腫瘍マーカーとして利用されている。このように,カリクレインファミリーの基質特異性や発現部位の異なりが,カリクレインファミリーの多様な機能を生み出していると考えられる。以下に中枢神経系に発現するカリクレインファミリーについて,プロテアーゼの役割を述べる。
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