文献詳細
特集 生命科学のNew Key Word
9.脳の遺伝子・分子/細胞過程
Hippocampal inward rectifier
著者: 日比野浩1 倉智嘉久1
所属機関: 1大阪大学大学院医学系研究科情報薬理学
ページ範囲:P.492 - P.493
文献概要
HIRはその中のKir2.0のグループに属し,われわれが最初に単離したMB-IRK3と同一のものであり2),現在Kir2.3と呼ばれている。異所性に発現させると強い内向き整流性を示すチャネルであり,細胞内外の酸性化によりそのチャネル活性は抑制される3)。また,Cキナーゼによりリン酸化され,チャネル機能が抑制されるとも報告されている4)。脳においては,Kir2.1が前脳・小脳,Kir2.2が小脳,Kir2.4が顔面神経核運動神経などに多く分布しているのに対し,HIR/Kir2.3は前脳に特に多く発現していることが判明している。海馬では,神経細胞の他にオリゴデンドログリアに分布しているという報告もあるが5),電顕レベルでの詳細な局在の検討は未だ行われていない。
参考文献
掲載誌情報