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特集 生命科学のNew Key Word 10.脳の働くメカニズムとその研究方法
小鳥の歌文法
著者: 岡ノ谷一夫123
所属機関: 1千葉大学文学部認知情報科学 2理化学研究所 3科学技術振興機構
ページ範囲:P.508 - P.509
文献購入ページに移動キンカチョウなど多くの鳥の歌は,3-10程度の歌要素を固定的に配列してうたわれるが,歌要素を動的に配列してうたう鳥もある。ジュウシマツはその代表で,平均八つの歌要素が,2-5要素からなる固定的な配列であるチャンクにまとめられ,それらが確率的な遷移規則(有限状態文法)に則って生成される。図1aに,ジュウシマツの歌の生成文法の一例を示す。この例では,歌要素ab,cde,fgがそれぞれチャンクをなし,ab-cde-ab-とうたわれたり,ab-cde-fg-ab-とうたわれたりする。この単純な規則により,生成される歌系列に多様性が出ることになる2)。
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