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文献詳細

雑誌文献

生体の科学55巻5号

2004年10月発行

文献概要

特集 生命科学のNew Key Word 11.薬理/生理

NO情報伝達系

著者: 小倉勤1

所属機関: 1国立がんセンター研究所支所がん組織生理機能解析プロジェクト

ページ範囲:P.518 - P.519

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 血管内皮細胞由来弛緩因子の本体がNOである発見から約25年が経ち,生体内で産生されるガス状物質NOが種々の情報伝達物質としての役割を担っていることが明らかとなった。生体内では,NOはL-アルギニンと2分子の酸素を用いL-シトルリンと共に生成され,その反応を触媒するのがNO合成酵素である。NO合成酵素は,神経型,血管内皮型,誘導型の3種が見出されている。NOは分子内に不対電子1個を持つフリーラジカルの特性を持つため,生体内のフリーラジカルや金属イオンと容易に反応する。また,NO由来酸化物とチオール間のS-ニトロソ化やチロシンのニトロ化反応が生体内機能を変化させる。これらの反応がNOの情報伝達に重要な役割を担っている。

参考文献

53:503-514, 2002
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236:365-369, 1997
111:163-169, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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