文献詳細
特集 生命科学のNew Key Word
11.薬理/生理
PAR(protease-activated receptor)
著者: 川畑篤史1
所属機関: 1近畿大学薬学部生体機能病因解明学研究室
ページ範囲:P.520 - P.521
文献概要
プロテアーゼによる特異的切断部位は,PAR-1ではArg41/Ser42,PAR-2ではArg36/Ser37,PAR-3ではLys38/Thr39,PAR-4ではArg47/Gly48である。PAR-1,PAR-2,PAR-4では,プロテアーゼによって露出される受容体活性化配列に基づくアミノ酸5-6個からなるペプチド(ヒトPAR-1ではSFLLR,PAR-2ではSLIGKV,PAR-4ではGYPGQV)を外来性に与えることによって,各受容体を非酵素的に活性化させることができる(図1)。このペプチド性リガンドのアミノ酸配列の変更あるいは誘導体化を行うことで,より効力が強く特異性の高いペプチド性アゴニストやペプチド性アンタゴニストが見出されている。PAR-1,PAR-4に関しては非ペプチド性のアンタゴニストも既に開発されている。一方,PAR-3は合成ペプチドでは活性化することができない。マウスのPAR-3はおそらく単独では機能を持たず,PAR-4のトロンビンに対する感受性を高めるためのco-factorとしてはたらくと現時点では理解されている1)。
参考文献
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