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特集 生命科学のNew Key Word 11.薬理/生理
PPARγ―脂肪細胞の分化を制御する核内レセプター
著者: 和田孝一郎1 上崎善規1
所属機関: 1大阪大学大学院歯学研究科薬理学
ページ範囲:P.522 - P.523
文献購入ページに移動PPARγはいわゆる核内レセプターであり,その内因性リガンドとしてはプロスタグランジンD2の代謝産物である15-デオキシ-Δ12,14-プロスタグランジンJ2(15d-PGJ2)や長鎖脂肪酸などがあげられているが,これらの内因性リガンドはレセプターに対する結合力はそれほど高くない6)。これに対して合成のインスリン抵抗性改善薬(非インスリン依存性糖尿病治療薬)であるチアゾリジンジオン誘導体(ピオグリタゾン,ロジグリタゾン,トログリタゾン)は,非常に強力にPPARγと結合して活性化する7)。最近では非チアゾリジンジオン型のインスリン抵抗性改善薬も開発されている。現在まで,このチアゾリジンジオン誘導体以上の結合力をもつ内因性のリガンドは報告されていない。
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