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特集 生命科学のNew Key Word 11.薬理/生理
アルギニンパラドックス
著者: 中木敏夫1
所属機関: 1帝京大学医学部薬理学講座
ページ範囲:P.526 - P.527
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L-アルギニン(L-Arg)が注目を集めるようになったのは,一酸化窒素合成酵素(NOS)の基質であることが明らかになったからである。NOSには3種類のアイソザイム(type Ⅰ~Ⅲ)がある。それぞれの精製酵素から得られるK m値は1-2μMである。一方,生体内のL-Arg濃度は血漿,細胞内いずれも約100μMである。このことより,NOSに対して,L-Argは細胞内濃度によりすでに十分な基質濃度に達していることになる。したがって,L-Argを増加させても大きな反応として認知できる量のNOが新たに産生されるとは考えられない。それにもかかわらず,新たに生体外からL-Argを追加するとNOの産生量が増加し,NOによる生体反応が惹起されることが知られている。この現象をアルギニンパラドックスと呼ぶ。
L-アルギニン(L-Arg)が注目を集めるようになったのは,一酸化窒素合成酵素(NOS)の基質であることが明らかになったからである。NOSには3種類のアイソザイム(type Ⅰ~Ⅲ)がある。それぞれの精製酵素から得られる
参考文献
336:696, 1990
20:709-717, 2000
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