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文献詳細

雑誌文献

生体の科学55巻5号

2004年10月発行

文献概要

特集 生命科学のNew Key Word 11.薬理/生理

アルギニンパラドックス

著者: 中木敏夫1

所属機関: 1帝京大学医学部薬理学講座

ページ範囲:P.526 - P.527

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背景

 L-アルギニン(L-Arg)が注目を集めるようになったのは,一酸化窒素合成酵素(NOS)の基質であることが明らかになったからである。NOSには3種類のアイソザイム(type Ⅰ~Ⅲ)がある。それぞれの精製酵素から得られるKm値は1-2μMである。一方,生体内のL-Arg濃度は血漿,細胞内いずれも約100μMである。このことより,NOSに対して,L-Argは細胞内濃度によりすでに十分な基質濃度に達していることになる。したがって,L-Argを増加させても大きな反応として認知できる量のNOが新たに産生されるとは考えられない。それにもかかわらず,新たに生体外からL-Argを追加するとNOの産生量が増加し,NOによる生体反応が惹起されることが知られている。この現象をアルギニンパラドックスと呼ぶ。

参考文献

336:696, 1990
20:709-717, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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