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特集 生命科学のNew Key Word 11.薬理/生理
鋤鼻器とフェロモン
著者: 高見茂1
所属機関: 1杏林大学保健学部解剖学教室
ページ範囲:P.530 - P.531
文献購入ページに移動鋤鼻器の構造
鋤鼻器(vomeronasal organ,ヤコブソン器Jacobson's organとも呼称)は鼻腔前部に左右1対存在する化学受容器であり,魚類と鳥類を除く脊椎動物の多くの種で認められ,爬虫類のヘビ類で最も発達している1,2)。両生類とカメ類以外では,鋤鼻器粘膜は嗅粘膜とは独立した盲嚢である。そのうちヒトと旧世界サル以外では,鋤鼻器は鼻中隔底部に,鋤鼻軟骨,あるいは鋤鼻軟骨および鋤骨に取り囲まれた細管状(図1A),または半球状の構造である。鋤鼻受容を行う鋤鼻感覚上皮は,鋤鼻腔(内腔)を隔てて繊毛上皮を含む非感覚性粘膜と向き合って存在し(図1B),鋤鼻腺などの付属腺が鋤鼻腔液を産生する1,2)。鋤鼻腔は鼻腔,口腔,あるいは鼻腔と口腔双方と細管により交通する1)。鋤鼻器から出た鋤鼻神経は篩骨篩板を貫通して嗅球後部の背内側部,鋤鼻球(vomeronasal bulb)1,2)あるいは副嗅球(accessory olfactory bulb)3)表層で軸索終末を形成して終止する(図1A)。
鋤鼻感覚上皮内には鋤鼻感覚細胞(vomeronasal sensory cell/neuron)が存在する。この細胞は1本の樹状突起と軸索を有す双極性ニューロンである(図1C)が,上皮内で分化・成熟する。また上皮内では,常に細胞更新が行われる1-3)。
鋤鼻器(vomeronasal organ,ヤコブソン器Jacobson's organとも呼称)は鼻腔前部に左右1対存在する化学受容器であり,魚類と鳥類を除く脊椎動物の多くの種で認められ,爬虫類のヘビ類で最も発達している1,2)。両生類とカメ類以外では,鋤鼻器粘膜は嗅粘膜とは独立した盲嚢である。そのうちヒトと旧世界サル以外では,鋤鼻器は鼻中隔底部に,鋤鼻軟骨,あるいは鋤鼻軟骨および鋤骨に取り囲まれた細管状(図1A),または半球状の構造である。鋤鼻受容を行う鋤鼻感覚上皮は,鋤鼻腔(内腔)を隔てて繊毛上皮を含む非感覚性粘膜と向き合って存在し(図1B),鋤鼻腺などの付属腺が鋤鼻腔液を産生する1,2)。鋤鼻腔は鼻腔,口腔,あるいは鼻腔と口腔双方と細管により交通する1)。鋤鼻器から出た鋤鼻神経は篩骨篩板を貫通して嗅球後部の背内側部,鋤鼻球(vomeronasal bulb)1,2)あるいは副嗅球(accessory olfactory bulb)3)表層で軸索終末を形成して終止する(図1A)。
鋤鼻感覚上皮内には鋤鼻感覚細胞(vomeronasal sensory cell/neuron)が存在する。この細胞は1本の樹状突起と軸索を有す双極性ニューロンである(図1C)が,上皮内で分化・成熟する。また上皮内では,常に細胞更新が行われる1-3)。
参考文献
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4)McClintock MK:Reproduction in Context, pp355-420, The MIT Press, Cambridge(Massachusetts), 2000
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100:8337-8341, 2003
11:163-169,1999
13)高見 茂:においの受容,pp77-90,フレグランスジャーナル社,東京,2002
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