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文献詳細

雑誌文献

生体の科学55巻5号

2004年10月発行

文献概要

特集 生命科学のNew Key Word 12.病気

Reelin―脳皮質形成に重要な細胞外分泌タンパク

著者: 赤羽晃寿1 南光進一郎1

所属機関: 1帝京大学医学部精神神経科

ページ範囲:P.536 - P.537

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Reelin(リーリン)とは

 Reelin(リーリン)は,脳皮質の神経細胞構築に関与する因子である。すなわち,層構造を特徴とする大脳皮質や小脳皮質などにおいて,神経細胞を順序よく配置していく際に重要な役割を果たしている。

 大脳皮質とりわけ,新皮質は第Ⅰ層:表在層,第Ⅱ層:外顆粒層,第Ⅲ層:外錐体層,第Ⅳ層:内顆粒層,第Ⅴ層:内錐体層,第Ⅵ層:多形細胞層の六つの細胞層から構成されており(細胞構築),各層にはそれぞれ特徴的な形態を有する神経細胞が規則正しく配置されている(小脳皮質は3層)。皮質の発生過程において,このような「規則正しい神経細胞の配置」に欠かすことのできない重要な因子がReelinである。すなわち,Reelinは中枢神経系の発達の際,神経細胞の移動や分化そして,位置決定など細胞構築に重要な働きをなすタンパク質である。

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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