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文献詳細

雑誌文献

生体の科学56巻1号

2005年02月発行

文献概要

特集 情動―喜びと恐れの脳の仕組み

嫌悪系―苦痛の制御メカニズム

著者: 南雅文1

所属機関: 1京都大学大学院薬学研究科生体機能解析学分野

ページ範囲:P.26 - P.31

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 快情動と不快情動は,行動の動機づけあるいは選択・制御に関わる根本的な高次脳機能である。このうち快情動については,モルヒネ,コカインなどの依存性薬物や脳内自己刺激により惹起される報酬行動との関連から古くより精力的な研究がなされ,快情動生成に関与する脳領域,神経回路および神経伝達物質に関して多くの知見が集積されてきた。一方,不安や不快,恐怖といった負の情動(以下,不快情動と呼ぶ)の生成機構に関しては不明な点が多い。筆者らはこれまで,持続性疼痛1,2)および麻薬禁断3-5)により惹起される不快情動に関して,それらに関わる神経回路および神経伝達物質を,扁桃体に焦点をあて研究してきた。本稿では,持続性疼痛による不快情動生成に関して,体性痛と内臓痛では異なる神経回路が用いられている可能性を示唆する知見を紹介するとともに,体性痛による不快情動生成に関わる扁桃体内情報伝達機構とその制御メカニズムについて筆者らの研究を中心に述べたい。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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