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文献概要
特集 味覚のメカニズムに迫る
味蕾細胞間情報伝達
著者: 吉井清哲1 大坪義孝1 熊澤隆2
所属機関: 1九州工業大学大学院生命体工学研究科 2埼玉工業大学工学部応用化学科
ページ範囲:P.85 - P.89
文献購入ページに移動ほ乳類味蕾細胞は,形態学的にⅠ型からⅣ型までの4種に分類され,各細胞型の役割が示唆されている。Ⅰ型からⅢ型までは,味孔に向かって伸びるelongated cellで,味物質と接触する可能性をもち,Ⅰ型細胞は支持細胞,Ⅱ型は味物質受容体を持つが味神経と化学シナプスを形成しない細胞,Ⅲ型は味神経と化学シナプスを形成する細胞である。Ⅳ型細胞は他の細胞型の幹細胞あるいはprecursor cellで味蕾基底部に分布する。マウス茸状乳頭味蕾(舌前半に分布する味蕾)は~50個のelongated cellを含み,Ⅱ型が~25%,Ⅲ型が~5%,残りをⅠ型が占める。もし,Ⅱ型細胞が受容した味物質の情報を脳へ送ろうとするなら,味神経との化学シナプス以外のルートが必要となる。
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