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文献詳細

雑誌文献

生体の科学56巻2号

2005年04月発行

文献概要

特集 味覚のメカニズムに迫る

うま味感覚におけるグルタミン酸受容体

著者: 豊野孝1 瀬田祐司1 片岡真司1 豊島邦昭1

所属機関: 1九州歯科大学健康促進学専攻生命科学講座口腔組織機能解析学分野

ページ範囲:P.90 - P.93

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 うま味を示す物質には,アミノ酸系および核酸系のうま味物質がある。池田菊苗博士によって,アミノ酸系うま味物質であるグルタミン酸が昆布だしから初めて抽出された。核酸系うま味物質には椎茸のだしに含まれるグアニル酸や,鰹節のだしに含まれるイノシン酸などがある1)。これらのうま味物質は,単独では弱いうま味しか惹起しない。しかしグルタミン酸にイノシン酸,またはグアニル酸を混合した場合,強いうま味が引き起こされる(相乗効果)。これらのうま味物質は,苦味や甘味と同様に,味毛上のG蛋白質共役型受容体(GPCR)に結合することにより引き起こされると考えられている。現在までにうま味,特にグルタミン酸の受容体として,代謝型グルタミン酸受容体(mGluR)の一種であるtaste-mGluR4などや,T1R1およびT1R3のヘテロダイマー受容体がクローニングされ解析が行われている。今回はこれらの受容体の特性および細胞内シグナル伝達系に関して解説する。

参考文献

1)栗原堅三:食物の味とうま味の役割.栗原堅三(編),グルタミン酸の科学 うま味から神経伝達まで,pp4-26,講談社,東京,2001
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101:14258-14263, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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