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文献詳細

雑誌文献

生体の科学56巻2号

2005年04月発行

特集 味覚のメカニズムに迫る

甘味受容体などのクローニングと発現解析

著者: 日野明寛1

所属機関: 1食品総合研究所企画調整部GMO検知解析チーム

ページ範囲:P.94 - P.101

文献概要

 食事から得られる喜びは,他のいかなるものによっても置き換えることができない。味覚はその最も重要な要素の一つであり,ヒトは様々な味を感じている。このうち,甘味・苦味・塩味・酸味・うま味の五つの味は基本味として,辛味や渋味などその他の味とは別に扱われる。これは,基本味が味覚受容器である味蕾で受容された後に味神経を介して脳に伝達される味の情報であるのに対して,その他の味は,味の情報の他に,口腔内に生じる痛覚・温覚・触覚などの一般体性感覚の情報を含んでいると考えられるからである。味を感じるメカニズムは長い間研究されてきたが,最近ようやく,味の受容を担う受容体(味覚受容体)が明らかになってきた。しかしながら,ノックアウトマウスの解析などにより味覚に関与することが直接明らかにされていた分子はほとんどなく,味覚機能の分子レベルの研究は他の感覚機能研究に大きく遅れていた。そのような中で,最近になり味覚受容体が相次いでクローニングされ,機能解析も進んでいることから,甘味受容体を中心にその概要を説明したい。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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