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文献概要
特集 味覚のメカニズムに迫る
味覚の中枢
著者: 山本隆1
所属機関: 1大阪大学大学院人間科学研究科行動生態学講座行動生理学研究分野
ページ範囲:P.114 - P.123
文献購入ページに移動 砂糖は甘くておいしいが,キニーネ溶液は苦くてまずい。お腹がいっぱいといいながらも甘くておいしいデザートならスーっと入ってしまう。人によってはマヨネーズが好きで何にでもかけてしまう。このように味覚の特徴は甘い,苦い,塩からいといった味の質的な認知とともに必ず快・不快(おいしい・まずい)の情動性を伴うことにある。さらに忘れてはならないことは,味覚は食行動を大きく左右することである。おいしいと思えばもっと食べたいと思い,実際の摂食行動が生じる。また,食べ物の味は情動性要因とともにすみやかに記憶され,好き嫌いの嗜好性発現にも結びつく。いったん好きになるとやみつきになって,いつでもどこでも食べたくなることもまれではない。
本稿では以上のような味覚発現から食行動に至る脳機序について解説したいのではあるが,紙面に限りがあるので筆者の興味のあるトピックに絞って記載することをお許し願いたい。
本稿では以上のような味覚発現から食行動に至る脳機序について解説したいのではあるが,紙面に限りがあるので筆者の興味のあるトピックに絞って記載することをお許し願いたい。
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