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実験講座
味蕾細胞の初代培養系
著者: 岸幹也1 榎森康文2 阿部啓子3
所属機関: 1(株)ミツカングループ本社中央研究所 2東京大学大学院理学系研究科生物化学専攻 3東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命化学
ページ範囲:P.137 - P.143
文献購入ページに移動すでに本書の別稿にあるとおり,味蕾を構成する細胞は様々である。このヘテロな細胞集団を分類する重要なキーワードは3個ある。一つ目は機能であり,味蕾には味細胞のほか,構造維持や分泌などの機能を持った(味細胞とは明らかに異なる)支持細胞などがある。二つ目は形態である。味細胞を含む多くの味蕾細胞は紡錘形であるが,その形状は一様ではなく,また,基底部側には円形(球形)に近い細胞も存在する。三つ目は時間である。味蕾細胞は平均10日程度の寿命しかなく,常にターンオーバーしている。したがって,味蕾の細胞はどこか(おそらく味蕾の基底部側近傍)で生まれ,味蕾中で分化・成熟し,やがて寿命を迎えて死ぬ。
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