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文献詳細

雑誌文献

生体の科学56巻2号

2005年04月発行

文献概要

連載講座 個体の生と死・34

日本人の出生,死亡,寿命の疫学―第2次世界大戦後の社会,経済および人口要因が及ぼした影響に関する研究

著者: 荒記俊一1 北村文彦1 金会慶2

所属機関: 1独立行政法人産業医学総合研究所 2中国安徽三聯事故予防研究所

ページ範囲:P.150 - P.156

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 日本人は明治~大正期を通じて欧米諸国民と比べて著しく短命で,1921-25年には男女の平均寿命はわずか42.1歳,43.2歳と短かった。これに対し,最近は男子が78.4歳,女子が85.3歳(2003年)と2倍近くも延長し,世界で最長寿の国民になっている。また,急速な少子化と晩婚化が進行している。筆者らは国際的にも歴史的にも特徴のある日本人の平均寿命・総死亡率・出生率などの健康指標と人口動態,生活習慣病・自殺・交通事故などの主要死因,および職業別死亡率に対する社会,経済,人口要因の影響を明らかにするために,厚生労働省,総務省などによる国レベルの広範な統計資料を用いて多変量解析法により種々検討を加えた1)

 本稿では,第2次世界大戦後の高度経済成長期からオイルショックによる経済不況期を経て,最近のバブル経済の破綻による社会改革期に至る半世紀に,日本人の出生,死亡,および寿命に与えた都市化,経済発展,若年・老年人口などの因子分析法で抽出した基本的な社会生活因子の影響を,筆者らのこの20年間の研究論文をもとに要約する。あわせて近年急速に経済発展しつつある中国における共同研究の事例を付記する。

参考文献

1)荒記俊一(編著):大学における公衆衛生50年,pp163-177,杏林書院,東京,1997
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18:103-108, 1986
19)荒記俊一(編著):交通安全と健康―第2回日中国際会議論文集,pp13-21,杏林書院,東京,1998
149:379-387, 1986
20:230-233, 1991
15:1-9, 1994
14:89-98, 1985
10:91-99, 1986
47:2004(in press)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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