文献詳細
文献概要
初耳事典
上皮細胞の形態的多様性
著者: 滝戸二郎1
所属機関: 1コロンビア大学医学部
ページ範囲:P.160 - P.160
文献購入ページに移動 上皮細胞は形態学的な多様性を持つことで知られている。その多様性は,それぞれの細胞が局在する場で持つ多彩な機能の反映でもある。多様性の振幅はあまりに大きく,形態に基づく上皮細胞の分類を著しく困難にしている。そこで操作上,細胞の縦横比を目安として柱状細胞,立方細胞,扁平細胞に分類している。しかし,その生成機構は不明である。
われわれは,細胞外基質タンパク質ヘンシン(hensin)の遺伝子欠損マウスを作製した(J. Cell Biol. 166:1093-1102, 2004)。ヘンシンは,腎臓の上皮細胞の細胞膜極性反転因子として発見された分子量230kDの細胞外基質タンパク質である。ヘンシン欠損マウスは,胎児の子宮粘膜への着床直後に死亡した。着床直後に出現する上皮細胞(visceral endoderm)の分化異常が死亡の原因と考えられた。
われわれは,細胞外基質タンパク質ヘンシン(hensin)の遺伝子欠損マウスを作製した(J. Cell Biol. 166:1093-1102, 2004)。ヘンシンは,腎臓の上皮細胞の細胞膜極性反転因子として発見された分子量230kDの細胞外基質タンパク質である。ヘンシン欠損マウスは,胎児の子宮粘膜への着床直後に死亡した。着床直後に出現する上皮細胞(visceral endoderm)の分化異常が死亡の原因と考えられた。
掲載誌情報