生体の科学56巻3号

2005年06月発行

特集 Naチャネル

Na^＋チャネルと生物進化

著者： 吉田繁¹

所属機関： ¹近畿大学理工学部生命科学科

ページ範囲：P.164 - P.174

　研究者による意見の違いはあるが，地球が誕生したのは約46億年前で，生命が誕生したのは約40億年前だと推定されている^1,2）。生命は複雑な進化過程を経て多種多様な生物として繁栄しているが，生命現象に関与するイオンチャネルも進化を遂げてきている。この稿では，最高度に発達したイオンチャネルと考えられているNa^＋チャネルに焦点をしぼり，生物進化とどのような関係を持ってきたのかを眺める。いまだに説明のつかない謎に満ちたテーマではあるが，それだけに興味は尽きない。

参考文献

1）丸山茂徳・磯崎行雄：生命と地球の歴史，岩波新書，東京，1998

2）Smith CUM：Elements of Molecular Neurobiology（3rd ed）, John Wiley & Sons, Chichester, 2002

3）加藤　潔・島崎研一郎・前島正義・三村徹郎（監修）：植物の膜輸送システム―ポンプ・トランスポーター・チャネル研究の新展開―，細胞工学別冊・植物細胞工学シリーズ18，秀潤社，東京，2003

4）Schmidt-Nielsen K：Animal Physiology：Adaptation and Environment（5th ed）, Cambridge University Press, Cambridge, 1997

5）会田勝美（編）：魚類生理学の基礎，恒星社厚生閣，東京，2002

6）黒岩常祥：ミトコンドリアはどこからきたか―生命40億年を遡る，NHKブックス，東京，2000

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8）Hille B：Ion Channels of Excitable Membranes（2nd ed）, Sinauer Associates, Sunderland, 2001

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10）吉田　繁：ナトリウムチャネル．イオンシグナルの謎―カルシウム40億年を渉猟する，唐木英明（編著），pp143-166，メディカルレビュー社，東京，1999

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29）新見嘉兵衛：神経解剖学，朝倉書店，東京，1976

30）Southwood TRE：The Story of Life, Oxford University Press, Oxford, 2003

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