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特集 Naチャネル
「非典型的」Na+チャネルと神経機能
著者: 筒井秀和1 岡良隆2
所属機関: 1理化学研究所脳科学総合研究センター 2東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻生体情報学
ページ範囲:P.181 - P.189
文献購入ページに移動われわれは,変化する外界の環境に対して生物が柔軟で適応的な反応をすることに興味を持ち,このとき神経系の情報処理において中心的役割を果たすイオンチャネル・レセプターの生物学的機能や神経核における情報処理の機構を解明するために,実験に有利な特徴を極めて多く持つある種の魚類脳内ペプチドニューロンと,それとは別種の魚類脳の視床神経核に注目し,各種の神経生物学的手法を駆使して多角的研究を展開してきた。その過程において,生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(gonadotropin-releasing hormone, GnRH)と呼ばれるペプチドを産生するニューロンが常に示す規則的な自発活動であるペースメーカー活動が,テトロドトキシン耐性持続性Na+チャネルにより生成されること,および,視床神経核の投射ニューロンがシナプス入力刺激や電流注入に対して示す特徴的な応答が,不活性化状態からの回復が極めて遅いNa+チャネルの性質に基づくこと,を発見した。以下に,それぞれの系におけるNa+チャネルの特徴とその生理的機能について述べることにする。
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