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文献詳細

雑誌文献

生体の科学56巻3号

2005年06月発行

文献概要

特集 Naチャネル

Naxチャネルの脳内ナトリウム濃度センサーとしての生理機能

著者: 檜山武史1 野田昌晴1

所属機関: 1自然科学研究機構基礎生物学研究所統合神経生物学研究部門

ページ範囲:P.199 - P.205

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 電位依存性ナトリウムチャネルの実体は,約20年前に野田らによるデンキウナギ発電器官およびラット脳からのcDNAクローニングと,その機能的発現によって明らかとなった1-3)。現在,哺乳類では10種から成る遺伝子ファミリーを形成することが確認されている。そのうち9種は細胞膜電位の変化を感知して開口する電位依存性チャネル(Nav)であったが,Naxだけは長くその働きが不明であった。われわれはNax遺伝子ノックアウトマウスを作製し,個体,組織,細胞の各レベルの解析を通して,Naxが脳室周囲器官に発現し,細胞外液のナトリウムイオン(Na)レベルを感知して開く全く新しいタイプのチャネルであることを明らかにしてきた。また,個体レベルの研究から体液Naレベル検出と塩分嗜好性制御にNax機構が関わっていることが次第に明らかとなってきた。本稿では,われわれのこれまでの研究成果を中心にNaxの生理機能について概説する。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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