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文献詳細

雑誌文献

生体の科学56巻4号

2005年08月発行

文献概要

特集 脳の遺伝子―どこでどのように働いているのか

転写因子Otx2とCrxは網膜視細胞と松果体の発生をつかさどる

著者: 佐藤茂1 小池千恵子1 古川貴久1

所属機関: 1大阪バイオサイエンス研究所第4研究部

ページ範囲:P.286 - P.291

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 物を見るのに,脊椎動物,無脊椎動物にかかわらず,生き物は目という器官を発達・進化させてきた。現代のカメラよりはるかに精密といわれるわれわれの目の発生も,それに関わる遺伝子群とそれらの制御という形でDNA上にプログラムされている。では具体的に,目の発生は分子レベルでどのようにプログラムされているのであろうか。目の中で光を実際に感受するのは網膜の視細胞と呼ばれるニューロンである。また,間脳の一部として発生する松果体も一部の動物種では頭頂眼として実際に光を感受することが知られており,網膜の視細胞とは進化的に非常に近い関係だと考えられている。しかし,これら光受容の主役である網膜視細胞ならびに松果体の発生のメカニズムは長らく謎であった。われわれは近年,視細胞と松果体の発生のメカニズムを転写因子CrxとOtx2の機能から明らかにしてきた。この二つの鍵となる転写因子に焦点をおいて,視細胞と松果体の発生についての最近の知見を概説する。

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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