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特集 脳の遺伝子―どこでどのように働いているのか
発達期の小脳プルキンエ細胞における25-Dxの発現―プルキンエ細胞が合成するプロゲステロンの作用機構
著者: 筒井和義1 坂本浩隆2 浮穴和義1
所属機関: 1広島大学総合科学部脳科学研究室/統合脳科学プロジェクト研究センター 2京都府立医科大学解剖学教室生体構造科学部門
ページ範囲:P.296 - P.302
文献購入ページに移動一方,最近の研究により,ニューロステロイドの膜受容体を介したノンゲノミック作用が注目されている。筆者らは,発達期のプルキンエ細胞にはプロゲステロンの核内受容体に加えて膜受容体候補タンパク質(membrane-associated putative progesterone-binding protein)である25-Dxが発現していることを見出した。発達期のプルキンエ細胞では,25-Dxはニューロステロイド合成に関与する小胞体とゴルジ体の膜構造に局在する。発達期のプルキンエ細胞が合成するプロゲステロンには,核内受容体を介したゲノミック作用と25-Dxを介したノンゲノミック作用により,ニューロンの発達,シナプス形成やニューロステロイド合成を調節する作用があると考えられる。
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