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特集 脳の遺伝子―どこでどのように働いているのか
依存性薬物による脳内遺伝子群の発現調節
著者: 舩田正彦1 佐藤美緒1 青尾直也1 和田清1
所属機関: 1国立精神・神経センター精神保健研究所薬物依存研究部
ページ範囲:P.323 - P.327
文献購入ページに移動近年,薬物依存の発症機序やその病態について,脳内の遺伝子発現の変化という観点から精力的な研究がなされている。薬物依存関連遺伝子の同定は薬物依存の診断の指標となり,さらには原因遺伝子をターゲットにした遺伝子治療および新規治療薬開発への応用が可能になると予想される。薬物による遺伝子発現の変動を探索する方法として,近年開発されたDNAチップ法(マイクロアレイ法)が注目されている2,3)。マイクロアレイ法は同一条件下で多種類の遺伝子発現の解析が可能である。さらに,迅速にデータ解析ができるという特徴を有する。本法はゲノムプロジェクト後の全遺伝子情報を有効に利用するための技術として重要な役割を担っており,薬物依存形成の原因遺伝子の同定にも応用が期待できる。マイクロアレイ法を用いて,覚せい剤であるMETHの急性投与もしくはMETHの慢性投与によって変動する脳内遺伝子群の比較検討を行うことは興味深い。本稿では,現在までに行ったマイクロアレイ法を利用したMETHによる遺伝子発現の変動に関する解析結果について紹介する。
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