文献詳細
特集 脳の遺伝子―どこでどのように働いているのか
ダウン症候群モデルマウスの遺伝子発現解析―21番染色体トリソミーの意味
著者: 香月康宏1 押村光雄1
所属機関: 1鳥取大学大学院医学系研究科生体機能医工学講座遺伝子機能工学
ページ範囲:P.328 - P.335
文献概要
表現型発症のメカニズムには上述したような複数の原因が考えられるが,原発要因(Chr21トリソミー)が次にどのような遺伝子発現の変化を引き起こし,最終的に表現型を引き起こすかという研究は,これまでChr21上の遺伝子のみに焦点が絞られていたことからあまり進んでいなかった。最近,われわれを含めいくつかのグループから種々のDSモデルマウスを用いて,表現型異常に直接または間接的に影響を与える可能性のある遺伝子・タンパク質がトランスクリプトーム解析やプロテオーム解析により同定されてきた。本稿ではトランスクリプトーム解析,プロテオーム解析から見えてきたChr21トリソミーの意味について紹介したい。
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