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特集 タンパク・遺伝子からみた分子病―新しく解明されたメカニズム 1.遺伝子発現
HNF-1α(TCF1)
著者: 井手茜1 川崎英二2 江口勝美1
所属機関: 1長崎大学医学部・歯学部附属病院第一内科 2長崎大学医学部・歯学部附属病院生活習慣病予防診療部
ページ範囲:P.364 - P.365
文献購入ページに移動HNF-1α遺伝子は染色体12q24.2に存在し6),総アミノ酸数631の四つの機能的領域,すなわち二量体形成ドメイン(1-32残基),DNA結合ドメイン(98-280残基),転写活性ドメイン(281-631)と,二量体形成ドメインとDNA結合ドメインをつなぐフレキシブルリンカー(33-97残基)から成り立っている7)。HNF-1αのノックアウトマウスは著明な肝腫大とwasting syndromeのため生後まもなく死亡するが,ヒトのFanconi症候群に似た尿細管障害も示す。ホモ接合体ではインスリン分泌不全,糖尿病を発症し,また胆汁酸輸送担体遺伝子の転写が障害され,総コレステロール値が上昇することが明らかにされている。
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