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文献詳細

雑誌文献

生体の科学56巻5号

2005年10月発行

文献概要

特集 タンパク・遺伝子からみた分子病―新しく解明されたメカニズム 1.遺伝子発現

HNF-1β(TCF2)

著者: 古田浩人1 南條輝志男1

所属機関: 1和歌山県立医科大学内科学第一講座

ページ範囲:P.366 - P.367

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HNF-1β/TCF2の構造および機能

 Hepatocyte nuclear factor(HNF)は肝臓で発現している遺伝子の転写調節因子として同定されたタンパクの一群で,DNA結合ドメインの構造の違いから,POUドメインならびにホメオドメインを有するHNF-1,フォークヘッドドメインを有するHNF-3,Znフィンガー構造を有し核内受容体型転写因子に属するHNF-4,CUTドメインならびにホメオドメインを有するHNF-6の4種類が知られている。本稿で述べるHNF-1βならびに別稿で述べられているHNF-1αは,このうちHNF-1に属する転写因子で,両者ともN端側から順に二量体形成ドメイン,DNA結合ドメイン,転写活性化ドメインからなる構造を有し(図1),ホモ二量体もしくはヘテロ二量体を形成し標的遺伝子のプロモーター領域に結合することで転写を調節している。HNF-1βとHNF-1αの両者はともに肝臓以外にも膵臓,腎臓,腸管において発現が認められているが,相対的には肝臓においてはHNF-1αの,腎臓においてはHNF-1βの発現が強い。また,HNF-1βは胎生早期から発現が認められ,そのノックアウトマウスは胎生7.5日の段階で死亡してしまうのに対し,HNF-1αは中期以降から発現が増強し,そのノックアウトマウスは出産時には異常は認められない。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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