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特集 タンパク・遺伝子からみた分子病―新しく解明されたメカニズム 2.酵素および酵素制御
筋強直性ジストロフィープロテインキナーゼ(DMPK)
著者: 笹川昇1 石浦章一1
所属機関: 1東京大学大学院総合文化研究科生命環境科学系
ページ範囲:P.390 - P.391
文献購入ページに移動ヒトDMPKの場合,セリン/スレオニンキナーゼ部位はN末端から中間部分に位置し,C末端に疎水的領域が存在している。中間にある挿入配列とC末端の違いにより,ヒトDMPKには全部で6種のスプライシング分子があることが知られている2)。C末端側には二種類のスプライシング様式が存在し,その違いにより,DMPKはミトコンドリアと小胞体のそれぞれに局在することが報告されている3)。DMPKは骨格筋,心筋,脳,胃などで発現が確認されているが,骨格筋においてはDMPKは筋小胞体の終末槽に局在することが明らかとなっている4)。培養細胞5)や分裂酵母6),出芽酵母7)にヒトDMPKを強制発現させた場合,細胞の形状が変化することが報告されており,DMPKが細胞骨格の再構成や細胞分裂の一機能を担う可能性が示唆されている。一方で,DMPKの生理的機能については,いまだに不明な点が多く,
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