文献詳細
文献概要
特集 タンパク・遺伝子からみた分子病―新しく解明されたメカニズム 2.酵素および酵素制御
α-シヌクレイン α-synuclein(SNCA)
著者: 岩坪威1
所属機関: 1東京大学大学院薬学系研究科臨床薬学教室
ページ範囲:P.400 - P.401
文献購入ページに移動 1997年,常染色体優性遺伝性を示す南イタリアContursi村起源の家族性パーキンソン病(FPD)家系において,α-synuclein遺伝子(SNCA)のミスセンス変異(A53T)が報告された1)。これは単一遺伝子病の形をとるFPDの中で病因遺伝子が同定された最初の例であり,park1 として登録された。臨床的には,発症年齢が30-50歳台とやや若年である以外は孤発例に類似しており,病理学的にLewy小体(LB)の出現を伴っていた。SNCAのFPD変異としてはその後A30P2),E46K3)の2変異が報告されている。
ほぼ同時期に,α-synuclein(aSyn)蛋白は孤発性PDやLewy小体型痴呆症(DLB)の変性神経細胞に出現するLBの構成成分であることがわかった4,5)。この発見により,aSynの蓄積は単なる終末的な病理学的結果ではなく,FPDのみならず孤発性PDを含めた,aSynの蓄積を特徴とする神経変性疾患(synucleinopathy)の病因に関与するというコンセンサスが成立した。
ほぼ同時期に,α-synuclein(aSyn)蛋白は孤発性PDやLewy小体型痴呆症(DLB)の変性神経細胞に出現するLBの構成成分であることがわかった4,5)。この発見により,aSynの蓄積は単なる終末的な病理学的結果ではなく,FPDのみならず孤発性PDを含めた,aSynの蓄積を特徴とする神経変性疾患(synucleinopathy)の病因に関与するというコンセンサスが成立した。
参考文献
276:2045-2047, 1997
18:106-108, 1998
55:164-173, 2004
388:839-840, 1997
152:879-884, 1998
302:841, 2003
55:174-179, 2004
364:1167-1169, 2004
364:1169-1171, 2004
97:571-576, 2000
576:363-368, 2004
41:4595-4602, 2002
294:1346-1349, 2001
4:160-164, 2002
8:657-663, 2005
25:5544-5552, 2005
36:1007-1019, 2002
305:1292-1295, 2004
掲載誌情報