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文献詳細

雑誌文献

生体の科学56巻5号

2005年10月発行

文献概要

特集 タンパク・遺伝子からみた分子病―新しく解明されたメカニズム 2.酵素および酵素制御

α-シヌクレイン α-synuclein(SNCA)

著者: 岩坪威1

所属機関: 1東京大学大学院薬学系研究科臨床薬学教室

ページ範囲:P.400 - P.401

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 1997年,常染色体優性遺伝性を示す南イタリアContursi村起源の家族性パーキンソン病(FPD)家系において,α-synuclein遺伝子(SNCA)のミスセンス変異(A53T)が報告された1)。これは単一遺伝子病の形をとるFPDの中で病因遺伝子が同定された最初の例であり,park1として登録された。臨床的には,発症年齢が30-50歳台とやや若年である以外は孤発例に類似しており,病理学的にLewy小体(LB)の出現を伴っていた。SNCAのFPD変異としてはその後A30P2),E46K3)の2変異が報告されている。

 ほぼ同時期に,α-synuclein(aSyn)蛋白は孤発性PDやLewy小体型痴呆症(DLB)の変性神経細胞に出現するLBの構成成分であることがわかった4,5)。この発見により,aSynの蓄積は単なる終末的な病理学的結果ではなく,FPDのみならず孤発性PDを含めた,aSynの蓄積を特徴とする神経変性疾患(synucleinopathy)の病因に関与するというコンセンサスが成立した。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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