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文献詳細

雑誌文献

生体の科学56巻5号

2005年10月発行

文献概要

特集 タンパク・遺伝子からみた分子病―新しく解明されたメカニズム 4.受容体

β3アドレナリン作動性受容体(ADRB3)

著者: 奥村健二1 村上隆一郎1

所属機関: 1名古屋大学医学部循環器内科

ページ範囲:P.418 - P.419

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構造と機能

 β3アドレナリン作動性受容体(β3-AR)はヒトでは408個のアミノ酸残基よりなり,β1,2-ARに共通した7回膜貫通型のG蛋白質共役型受容体である。膜の内側のC末端は短いので,プロテインキナーゼAとβ-アドレノセプターキナーゼのリン酸化部位がないため脱感作が受けにくい。カテコールアミンの受容体刺激により4番目の細胞内ドメインのCys361残基のパルミチン酸化した部位はアデニリルシクラーゼを活性化し,G蛋白質と共役し細胞内cyclic AMP濃度を高めてその作用を発揮する1)

 一番特色のある作用は,白色および褐色脂肪組織の脂肪細胞においてみられる。β3-ARが最も多く発現している褐色脂肪組織では,その組織に多いミトコンドリア内膜の脱共役蛋白質1(UCP-1)を活性化し,脂肪酸を熱として処理し,体を寒冷より保護する。一部の熱産生には白色脂肪組織も関与する2)。β3-ARが刺激された結果,増加するcyclic AMPは白色および褐色脂肪組織においてホルモン感受性リパーゼを活性化し,貯蔵されている中性脂肪を分解し脂肪酸として放出する3)

参考文献

(Kaunas) 40:407-413, 2004
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270:29483-29492, 1995
333:382-383, 1995
11:509-511, 2003
48:117-120, 1999
83:2441-2444, 1998
22:559-566, 1998
52:356-361, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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