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特集 タンパク・遺伝子からみた分子病―新しく解明されたメカニズム 4.受容体
腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー11a(TNFRSF11A)
著者: 塩井淳1 西沢良記2
所属機関: 1大阪市立大学大学院医学研究科老年血管病態学 2大阪市立大学大学院医学研究科代謝内分泌病態内科学
ページ範囲:P.420 - P.421
文献購入ページに移動RANKのシグナル伝達機構にはTNF receptor-associated factor(TRAF)と呼ばれるアダプター蛋白質が重要な役割を果たしている2,3)。RANKの細胞内ドメインにはTRAFの結合部位が少なくとも3ヵ所存在し,6種類のTRAFファミリー(TRAF1,TRAF2,TRAF3,TRAF4,TRAF5,TRAF6)のうち,TRAF4を除くすべての因子がRANKに結合しうることが明らかにされている。これらのTRAFファミリーのうちTRAF2,TRAF5,TRAF6はNF-κB(nuclear factor-κB)およびJNK(c-jun N-terminal kinase)を活性化する機能を有している。RANKの細胞内ドメインには,これら三つのTRAFと結合する部位(TRAF-interacting motif:TIM)が同定されている。TRAF6結合領域はもっとも膜に近い側に存在し,特異性が高い。そのC端側にTRAF2,TRAF5の順にそれぞれの結合領域が存在している。TRAF2およびTRAF6のN端側に存在するRING-zinc finger(RZF)ドメインがIKK(I-κB kinase),JNK,p38 kinaseを活性化することが明らかにされている。これら三つのTRAFのうちでTRAF6を介するシグナル伝達経路が破骨細胞の分化にもっとも重要と考えられている。
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