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文献詳細

雑誌文献

生体の科学56巻5号

2005年10月発行

特集 タンパク・遺伝子からみた分子病―新しく解明されたメカニズム

4.受容体

ヒト甲状腺刺激ホルモン受容体(TSHR)

著者: 赤水尚史1

所属機関: 1京都大学探索医療センター

ページ範囲:P.426 - P.427

文献概要

TSHRの概説

 ヒト甲状腺刺激ホルモン(thyrotropin:TSH)受容体(TSHR)は,764個のアミノ酸からなる糖蛋白であり,長い細胞外領域(N端側に存在),7個の細胞膜貫通領域,および細胞内領域(C端側)によって形成されるG蛋白共役型受容体である。LH/CG受容体やFSH受容体と相同性が高く,糖蛋白ホルモン受容体ファミリーを形成する1)

 TSHRは甲状腺膜上に存在し,下垂体から分泌されるTSHの作用を伝達する。TSHはTSHRを介して甲状腺の種々の機能や増殖を調節している。甲状腺機能に必須なヨードトランスポーター(Na/I symporter:NIS),甲状腺ペルオキシダーゼ(thyroid peroxidase:TPO),サイログロブリン(Tg)の産生を高める2)。また,コロイドへのヨード遊離,サイログロブリンのヨード化,甲状腺ホルモン産生も刺激する。さらに,TSHは甲状腺細胞の増殖を刺激することはin vivoでもin vitroでも確認されているが,増殖作用にはIGF-1やインスリンの存在が必要と考えられている。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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