文献詳細
特集 タンパク・遺伝子からみた分子病―新しく解明されたメカニズム
4.受容体
文献概要
自己免疫性疾患は遺伝素因を有する個体に環境因子が作用することで発症すると考えられている。近年,Single nucleotide polymorphism(SNP)を用いた疾患感受性遺伝子検索が精力的に行われている。ヒト主要組織適合性複合体であるHLA(human leucocyte antigen)は多くの自己免疫性疾患の疾患感受性遺伝子であることが明らかにされているが,HLA以外にも自己免疫性疾患に共通の疾患感受性遺伝子が存在することが推定されている。Non-HLAの自己免疫共通遺伝子に関する最初の報告はリンパ球特異的チロシンホスファターゼPTPN22であり,PTPN22の多型(R620W)は全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus, SLE),関節リウマチ(rheuamtois arthritis, RA),Ⅰ型糖尿病,慢性甲状腺炎と関連する1)。FCRL3(Fc receptor-like 3)は成熟B細胞に発現するFc受容体類縁分子であるが,理化学研究所の高地や山田らにより,FcrL3も関節リウマチ,自己免疫性甲状腺疾患,全身性エリテマトーデスに共通する疾患感受性遺伝子であることが見出された2)。
参考文献
76:561-571, 2005
37:478-485, 2005
98:9772-9777, 2001
35:674-680, 2005
掲載誌情報