icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学56巻5号

2005年10月発行

文献概要

特集 タンパク・遺伝子からみた分子病―新しく解明されたメカニズム 7.ミトコンドリア

ミトフシン2 mitofusin 2(MFN2)

著者: 早坂清1

所属機関: 1山形大学医学部発達生体防御学講座小児医科学分野

ページ範囲:P.466 - P.468

文献購入ページに移動
ミトコンドリアについて

 ミトコンドリアは数ミクロンの大きさの細胞内小器官で様々な役割を有しているが,特に酸化的リン酸化によるATP産生において重要な役割を果たしている。ミトコンドリアの形態や数は臓器や発達段階および外部環境などにより異なり,個々の細胞には百~数千個存在し,また各ミトコンドリア内には環状DNAが数コピー存在している。近年,ミトコンドリア機能の異常と神経筋疾患,糖尿病などの疾患との関連が明らかにされている。

 ミトコンドリアは互いに癒合しては分離を繰り返すダイナミックな小器官である1)。林らによる細胞癒合実験では,導入した変異ミトコンドリアDNA(mtDNA)が細胞内のほかのミトコンドリアに速やかに拡散していくこと,異なる二つの変異mtDNAを導入した細胞では,相補作用により呼吸機能が回復することなどが明らかにされており,ミトコンドリアの癒合と分離が裏付けられている2-4)。一方,ミトコンドリアのダイナミックスはアポトーシスにも関与している。

参考文献

160:189-200, 2003
125:43-50, 1994
7:934-940, 2001
28:272-275, 2001
114:867-874, 2001
115:1663-1674, 2002
305:858-862, 2004
278:17190-17197, 2003
159:931-938, 2002
6:872-883, 2004
36:449-454, 2004
116:23-27, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?