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特集 タンパク・遺伝子からみた分子病―新しく解明されたメカニズム 9.細胞膜関連
ジスフェルリンdysferlin(DYSF)
著者: 林由起子1 西野一三1
所属機関: 1国立精神・神経センター神経研究所疾病研究第一部
ページ範囲:P.480 - P.481
文献購入ページに移動ジスフェルリン遺伝子は染色体2p13に存在し,その遺伝子変異は常染色体劣性の遺伝形式をとる肢帯型筋ジストロフィー2B型(LGMD2B),三好遠位型筋ジストロフィー(MM),ならびに前脛骨筋ミオパチーを引き起こすことが知られている2-4)。ジスフェルリン遺伝子の異常によるこれらの疾患を総称してジスフェルリノパチーと呼んでいる。興味深いことに,たとえ同じ遺伝子変異を有する同胞間であっても,臨床的に近位筋優位の筋萎縮・筋力低下を示すLGMDタイプの症状を示す場合と,下腿後面の筋群が強く障害されるMMとなる場合がある。どのような要因が罹患筋の個体差を規定しているのかは明らかでない。
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