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特集 タンパク・遺伝子からみた分子病―新しく解明されたメカニズム 11.細胞外タンパク
ムチン5B mucin 5 subtype B, tracheobronchial(MUC5B)
著者: 松下育美1 神尾孝一郎1 慶長直人1
所属機関: 1国立国際医療センター研究所呼吸器疾患研究部
ページ範囲:P.494 - P.495
文献購入ページに移動mucinは大きく分けて分泌型と膜結合型の二つのカテゴリーに分類される。分泌型の代表はMUC2,MUC5AC,MUC5B,MUC6で,染色体11p15にクラスターを形成し,von Willebrand factor様のドメインを有するなど,構造的に類似性を持つ(図1)。膜結合型にはMUC1,MUC3A,MUC3B,MUC4,MUC11-13などが含まれ,膜貫通ドメインを持ち,さらにMUC3A,MUC3B,MUC4,MUC12はそのC末端に上皮成長因子(EGF)類似のドメインを有している。MUC3A,MUC3B,MUC11,MUC12は染色体7q12,MUC4,MUC13は3q29に存在する。MUC7,MUC8は上記のいずれにも属さず,両者間での共通性も認められない。mucinの役割として,物理的な細胞保護作用のみならず,糖鎖構造に起因した細胞間相互作用(白血球,細菌,ウイルスとの受容体としての働き)の研究が最近,進みつつある。
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