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文献詳細

雑誌文献

生体の科学56巻5号

2005年10月発行

文献概要

特集 タンパク・遺伝子からみた分子病―新しく解明されたメカニズム 12.細胞接着

ネクチン1 nectin-1/ポリオウイルス受容体関連タンパク1前駆体(PVRL1)

著者: 溝口明1 木村一志1

所属機関: 1三重大学医学部ゲノム医科学大講座神経再生学・細胞情報学部門

ページ範囲:P.498 - P.499

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 ネクチン細胞接着分子は,イムノグロブリン様ループ3個を有する1回膜貫通型蛋白質で,1型から4型までのサブファミリーを形成している。1型~4型のネクチン分子は,同型間でホモフィリックトランスに結合するだけでなく,異型間でヘテロフィリックトランスにも結合でき,結合の強さは後者が前者より数十倍強い。ネクチン分子のC末端は,細胞質内で足場蛋白質アファジンのPDZドメインと結合し,アファジンはアクチン細胞骨格と結合している。ネクチン分子は普遍的に発現しており,上皮では接着帯に局在し,脳海馬のシナプスではpuncta adherentia junctionに局在している。ネクチン細胞接着分子の生物学的機能としては,上皮細胞間の接着強化および接着解除,シナプスの大きさと位置の制御,軸索のガイダンスに関与していることが証明されている。

参考文献

116:17-27, 2003
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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