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特集 タンパク・遺伝子からみた分子病―新しく解明されたメカニズム 12.細胞接着
Transforming growth factor-β induced protein(TGFBI)
著者: 山本修士1
所属機関: 1大阪鉄道病院眼科
ページ範囲:P.502 - P.503
文献購入ページに移動1997年にMunierらは,顆粒状角膜ジストロフィ(GCD),格子状角膜ジストロフィⅠ型(LCD1),Avellino角膜ジストロフィ(ACD),Reis-Bücklers角膜ジストロフィ(RBCD)と臨床診断されていた四つのタイプの角膜ジストロフィが,TGFBI(角膜ではケラトエピセリン;遺伝子はbeta ig-h3)タンパクにおけるアミノ酸配列の変異により発症していることを発見した3)。GCDではTGFBIの555番目のアミノ酸のアルギニンがトリプトファンに変異し(Arg555Trp),このアミノ酸がグルタミンに変異するとRBCDになる(Arg555Gln)。ACDでは124番目のアルギニンがヒスチジンに変異し(Arg124His),LCD1ではやはり124番のアルギニンがシスチン(Arg124Cys)に変異したことが病因であるとされた。これらの知見は世界中で確認され,格子状角膜ジストロフィⅢ型はじめ多くのTGFBI変異による角膜ジストロフィが報告されてきた4)。
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