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特集 構造生物学の現在と今後の展開
NMR分光法とクライオ電子顕微鏡法によるアクチンフィラメント研究―筋肉収縮・弛緩における分子スイッチ機構
著者: 若林健之1 村上健次1
所属機関: 1帝京大学理工学部バイオサイエンス学科
ページ範囲:P.593 - P.605
文献購入ページに移動トロポニンは三つのコンポーネントからなっている。TnT(Tropomyosin-binding)はトロポミオシンと結合し,TnC(Calcium-binding)はカルシウムを結合し,TnI(Inhibitory)はアクチンと結合して収縮を阻害する。カルシウムを結合したTnCはTnIと強く結合し,TnIの阻害活性を喪失させる。TnCとCa2+の結合は結晶解析やNMR分光法により原子レベルで詳しく研究されてきた。しかし,筋弛緩の分子機構を明らかにする上で重要なTnIとアクチンの結合の原子レベルでの詳細は不詳であった。本稿では主にこの点について述べたい。
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