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文献詳細

雑誌文献

生体の科学57巻1号

2006年02月発行

文献概要

特集 こころと脳:とらえがたいものを科学する

知覚判断,意思決定の神経機構―潜在的な脳情報処理をめぐって

著者: 下條信輔12

所属機関: 1 2科学技術振興機構ERATO下條潜在脳機能プロジェクト

ページ範囲:P.13 - P.21

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 日常の知覚判断や意思決定の多くの場合,私たちは最終的な判断を意識することはできても,そこに至る過程の大部分は意識してない。また後で問われればそれなりに理由を述べることはできても,後付けであったり客観的には的外れであることも多い。脳における膨大な情報処理のほとんどの部分が「意識されない」ことから,その部分を研究することは脳の情報処理の全体像を理解する上で欠くことができない。また,顕在的(意識的)過程と潜在的(無意識的)過程の相互作用がヒトの心を心らしくしていると考えられるので,その相互作用を理解することで,ヒトの脳の高次機能に踏み込めるかもしれない。

 ここでは神経系の精神機能のうちで,1)無自覚的,2)自働的,3)しばしば身体的,生理的(皮質も関与するが皮質下の機能が重要),4)課題非依存的(ただし意味的,文脈依存的ではあり得る)などの特徴を持つものを潜在的過程と呼ぶ。「無意識の」「無自覚的」「閾下」などの語もしばしば類似の意味で使われる。

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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