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文献詳細

雑誌文献

生体の科学57巻1号

2006年02月発行

文献概要

特集 こころと脳:とらえがたいものを科学する

ヒト認知機能と遺伝子解析の統合へ向けた脳画像研究

著者: 坂井克之1

所属機関: 1東京大学大学院医学系研究科認知・言語神経科学分野

ページ範囲:P.22 - P.29

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 核磁気共鳴画像法(fMRI)をはじめとする非侵襲的な脳画像の開発により,認知神経科学研究はここ10年間に著しい発展を遂げてきた。画像情報の取得,そしてその解析法は現在も発展中であるとはいえ,その技術的進歩は一定の段階に達したといえよう。これまでの研究は主として,様々な認知機能が脳のどの領域に局在しているかを問う,いわゆるBrain Mappingがその目標であった。現在ヒトを対象とした脳画像研究は,この段階を越えて新たな展開をみせている。そのひとつが本稿でとりあげる遺伝子解析との統合である。ヒトの認知能力,あるいは気質が遺伝要因によって決定されるのか,環境要因によって獲得されるのか,いわゆるNature vs. Nurtureの議論に対して,脳画像を用いることによって迫ろうとする試みである。

 ヒトの遺伝子解析といった場合,カテゴリー化された形質とその形質を決定付ける遺伝子の対応をさぐる研究がこれまでの主たるものであった。例えば血液型や髪の色。この場合,A型とB型,ブロンドと黒髪といったように,その形質で明らかな境界を持ってヒト集団を区分することができる。あるいは疾患。その症状や病理所見から正常とは明らかに区別される集団を,正常集団と対比させることにより,ここ十数年の間に驚くほど多くの疾患原因遺伝子,あるいは疾患リスク遺伝子が明らかにされてきた。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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