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特集 膜リサイクリング
膜融合の立役者:SNAREタンパク質
著者: 大庭良介1 竹安邦夫1
所属機関: 1京都大学大学院生命科学研究科分子情報解析学
ページ範囲:P.83 - P.90
文献購入ページに移動 様々な細胞内小器官で満たされる真核生物の細胞内において,細胞内小器官間のタンパク質輸送は小胞輸送によって担われる。送り手側の膜からCOPⅠ被覆小胞・COPⅡ被覆小胞・クラスリン被覆小胞といった輸送小胞が輸送タンパク質を含んだ形で千切り取られ,受け取り側の膜に輸送小胞が融合することを通して,小胞内(あるいは小胞膜)タンパク質が細胞内小器官間を移動する。この膜融合課程にはSNAREを中心に,それに直接あるいは間接に関与するRab-GTPaseやSMタンパク質といったタンパク質が関わっている。これらの分子は小胞膜融合の特異性を決め,どの輸送小胞がどの細胞内小器官に輸送されるかという細胞内の膜流通を管理する重要因子である。
本稿では,SNARE分子に注目し,膜融合におけるSNARE分子の役割を述べるとともに,細胞生物学的解析と分子進化学的解析から推察できる細胞内小器官の進化の過程について言及する。
本稿では,SNARE分子に注目し,膜融合におけるSNARE分子の役割を述べるとともに,細胞生物学的解析と分子進化学的解析から推察できる細胞内小器官の進化の過程について言及する。
参考文献
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