文献詳細
特集 膜リサイクリング
文献概要
cAMPは細胞内Ca2+濃度上昇を引き金として惹起されるエキソサイトーシス(開口分泌)において極めて重要な細胞内シグナルである1)。cAMPは海馬や小脳プルキンエ細胞からの神経伝達物質放出制御による長期増強,嗅神経や交感・副交感神経から神経伝達物質放出などに関与する。また膵β細胞,膵α細胞,下垂体細胞,副腎由来クロム親和性細胞からの開口分泌もcAMPによって制御される。
開口分泌でのcAMPの標的分子はおもにPKAが挙げられる。 最近では, サイクリックヌクレオチド作動性(CNG)チャネルやexchange proteins directly activated by cAMP(Epac)がPKA非依存性開口分泌を担うと報告されている。CNGチャネルは嗅神経からの神経伝達物質放出に,Epacはある種の神経細胞や膵β細胞での開口分泌に深く関わっている。本総説ではcAMPによる開口分泌の制御機構の解明が進んでいる神経細胞や膵β細胞を中心に取り上げ,開口分泌におけるPKA依存性経路とEpac依存性経路(図1)の最近の知見について概説したい。
開口分泌でのcAMPの標的分子はおもにPKAが挙げられる。 最近では, サイクリックヌクレオチド作動性(CNG)チャネルやexchange proteins directly activated by cAMP(Epac)がPKA非依存性開口分泌を担うと報告されている。CNGチャネルは嗅神経からの神経伝達物質放出に,Epacはある種の神経細胞や膵β細胞での開口分泌に深く関わっている。本総説ではcAMPによる開口分泌の制御機構の解明が進んでいる神経細胞や膵β細胞を中心に取り上げ,開口分泌におけるPKA依存性経路とEpac依存性経路(図1)の最近の知見について概説したい。
参考文献
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掲載誌情報