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文献詳細

雑誌文献

生体の科学57巻2号

2006年04月発行

文献概要

特集 膜リサイクリング

cAMPシグナルによるエキソサイトーシスの調節機構

著者: 柴崎忠雄1 清野進1

所属機関: 1神戸大学大学院医学系研究科細胞分子医学

ページ範囲:P.91 - P.95

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 cAMPは細胞内Ca2+濃度上昇を引き金として惹起されるエキソサイトーシス(開口分泌)において極めて重要な細胞内シグナルである1)。cAMPは海馬や小脳プルキンエ細胞からの神経伝達物質放出制御による長期増強,嗅神経や交感・副交感神経から神経伝達物質放出などに関与する。また膵β細胞,膵α細胞,下垂体細胞,副腎由来クロム親和性細胞からの開口分泌もcAMPによって制御される。

 開口分泌でのcAMPの標的分子はおもにPKAが挙げられる。 最近では, サイクリックヌクレオチド作動性(CNG)チャネルやexchange proteins directly activated by cAMP(Epac)がPKA非依存性開口分泌を担うと報告されている。CNGチャネルは嗅神経からの神経伝達物質放出に,Epacはある種の神経細胞や膵β細胞での開口分泌に深く関わっている。本総説ではcAMPによる開口分泌の制御機構の解明が進んでいる神経細胞や膵β細胞を中心に取り上げ,開口分泌におけるPKA依存性経路とEpac依存性経路(図1)の最近の知見について概説したい。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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