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文献詳細

雑誌文献

生体の科学57巻2号

2006年04月発行

文献概要

特集 膜リサイクリング

シナプス後部における受容体のリサイクリング

著者: 山口和彦1 立川哲也1

所属機関: 1理化学研究所脳科学総合研究センター記憶学習機構研究チーム

ページ範囲:P.122 - P.127

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 哺乳類中枢神経系の複雑な機能は,約1011個の神経細胞の織りなす神経回路網によって実現されているが,神経細胞同士の接点,シナプスは1神経細胞あたり平均1万ヵ所以上あると考えられている。

 軸索末端であるシナプス前部からは,電気信号によりトリガーされて神経伝達物質が放出され,シナプス後部では,神経伝達物質が特異的受容体に結合し,情報は再び電気信号に変換される。シナプス後部における受容体発現は常時,構成性受容体トラフィッキングによって調節されている。シナプス後膜表面に構成性エクソサイトーシスにより挿入された受容体は,構成性エンドサイトーシスにより内在化された後,リサイクルされ,再びシナプス後膜に挿入される。シナプス後膜における受容体の発現が活動依存性に長期に増強されたり(長期増強,LTP),抑圧(長期抑圧,LTD)されることが記憶や学習の基礎機構の一つとなっている。

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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