icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学57巻2号

2006年04月発行

文献概要

話題

トロポニン発見四十周年記念国際シンポジウム

著者: 大槻磐男1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学生理学第二講座

ページ範囲:P.153 - P.155

文献購入ページに移動
 わが国において江橋節郎先生が筋収縮のカルシウム調節タンパク質であるトロポニンを発見されてから丁度40年を迎えたのを機会に,2005年10月25日から28日までの4日間にわたり記念国際シンポジウム“Regulatory proteins of striated muscle;structure, function and disorder(筋収縮の調節タンパク質:構造と機能および疾患)”が開催された。会場である岡崎自然科学研究機構の構内のコンフェレンスセンターに内外の関係者約130人が集まり,トロポニンおよびその他の筋収縮関連分野における国内外の代表的な研究者(国外11名,国内21名)による講演を行い討論が交わされた。わが国において開催された筋収縮調節タンパク質の国際会議としては,江橋先生が主催された熊谷・名取記念河口湖シンポジウム(1979年)以来のことになる。

 シンポジウムの前半ではトロポニン研究発展の経過をまとめるとともに,最近進歩が著しい構造生物学および医学的な側面に重点を置いて講演と討論を行った。そして後半には,ミオシン連関調節機構, 興奮収縮連関と疾患, 生筋X線回折, モータータンパク質,などの関連分野の代表的な研究者による講演を行った1)。トロポニンのセッションを終わったところで40周年を祝い,この分野の先駆者であるA. F. Huxley卿とA. Weber教授から送られてきた祝賀のメッセージが披露された。そのあとで江橋先生が83歳の年齢を感じさせない明晰な英語で返礼のスピーチを行い,トロポニン研究の総仕上げの会にふさわしい言葉の数々は参加者一同に深い感銘を与えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?