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文献詳細

雑誌文献

生体の科学57巻3号

2006年06月発行

文献概要

特集 ミエリン化の機構とその異常

ミエリン化による神経軸索の成熟化と膜蛋白質の局在変化

著者: 森下博文1 八木健1

所属機関: 1大阪大学大学院生命機能研究科時空生物学講座心生物学グループ

ページ範囲:P.172 - P.177

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 ミエリン膜は,非脊椎動物から脊椎動物に至る系統発生の過程で,顎口類以降の脊椎動物の脳神経系に突然獲得された。ミエリン膜による神経軸索の絶縁効果は,神経活動の伝導速度の飛躍的上昇をもたらし,脊椎動物における脳神経系のダイナミックな情報処理能力の向上に貢献したことは疑いがない1)。ミエリン膜の形成は,個体発生の過程においても,構造的,機能的にダイナミックな変化を神経軸索に対して引き起こす。最近になり発達過程のミエリン化が,神経軸索の成熟化に重要な役割を担っていることが分子レベルで明らかになってきた。本稿では,特にミエリンとの相互作用に重要な軸索上の膜蛋白質に注目し,1)ミエリン化の開始,2)ランビエ絞輪の構築,3)ミエリン化の完成といった重要なステップにおける膜蛋白質の局在変化と分子機能に関して,われわれの解析結果も交えて最近の知見を紹介したい。

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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