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文献詳細

雑誌文献

生体の科学57巻3号

2006年06月発行

文献概要

特集 ミエリン化の機構とその異常

Charcot-Marie-Tooth病におけるミエリン関連タンパクの異常

著者: 山本正彦1 伊藤泰広2 小池春樹3 祖父江元3

所属機関: 1愛知学院大学心身科学部健康科学科 2トヨタ記念病院神経内科 3名古屋大学医学部神経内科

ページ範囲:P.196 - P.202

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 Charcot-Marie-Tooth病(CMT)は,遺伝性ニューロパチーの中でも最も代表的な疾患であり,有病率も比較的高い。わが国の疫学調査では,10万人に4人程度と推測されている1)。遺伝子診断法の普及によって,高齢発症やほとんど無症候な例など,非典型的なCMTの存在が明らかになっている。この疾患は遺伝性運動感覚性ニューロパチー(HMSN)と称されるが,遺伝性感覚性ニューロパチー(HSN),遺伝性感覚自律神経性ニューロパチー(HSAN)と一連の疾患群として,多くのサブタイプに分けられている。近年の分子遺伝学の発展により,原因遺伝子として30種類以上の遺伝子が同定され,遺伝性難聴や網膜色素変性症とならび,遺伝的異質性の高い疾患である(http://www.molgen.ua.ac.be/CMTMutations)。直接的あるいは間接的にミエリン形成に関わる遺伝子として,10個程度があげられる。また,ミエリン化の初期過程に関わる遺伝群の異常では,多面発現としてCMTの表現型以外に,神経堤由来の異常に起因する消化器症状や難聴を合併することがある。

 ここでは,CMTの原因遺伝子となるミエリン関連タンパクを中心に取り上げ,シュワン細胞におけるミエリン形成過程との関係も含め,CMTの分子遺伝学について概説する。

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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